岩国原爆戦争展展示内容福島原発 福島原発事故>福島第一原発の深刻な事故

福島第一原発の深刻な事故

爆発・炎上し放射能をまきちらしている福島第一原発3号機(手前)、4号機(奥)
爆発・炎上し放射能をまきちらしている福島第一原発3号機(手前)、4号機(奥)

東日本大震災にともなう福島第一原発の放射能災害は、2カ月を経過した今もなお収束のめどもなく、放射能を出し続け、そのもとで困難な作業がおこなわれている。事故原因の全体像と真相は未だ明らかとなっていない。いま福島では、原発周辺の10万人近くが住みなれた土地を追われ、職を失い、途方に暮れている。残った人々も放射性物質による空気と水と土壌の汚染におびえ、農作物も魚も肉も売れない。風評被害は近県どころか全国に及び、しかもなお原発は制御不能のままである。

 最近、東電から原発事故収束のための「工程表」が出されたが出した端から「想定外」の事実が次々と発覚するありさまである。

 これらのことは、原発技術がまだ確立されておらず放射能を制御できないこと、ひとたび事故が起これば桁外れの放射能事故を引き起こすことが「安全神話」の崩壊とともに、国民の前にあきらかにされている。

 政府、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東電などの発表は「ただちに健康に影響はない」「冷静に行動を」を繰り返しながら、原発から半径20キロ圏内を一方的に罰則を設けて立ち入りを禁止するなど、真実を報道しない「大本営発表」に国民は強い怒りといらだちをつのらせている。

 原発はアメリカの強い要求によって、世界有数の地震国日本列島に持ち込まれたものである。それは余剰ウランのはけ口として、原子力技術の売り込みとして、日本のエネルギーの対米依存を強めるものとして、そしてなによりも日本に渦巻く原爆の犯罪への怒りをかき消すという「核の平和利用」という政治目的によるものであった。

 この要求に真っ先に飛びついたのが、当時国会議員であった中曽根康弘と読売新聞社主幹の正力松太郎であったと言われており、日本民族の利益を売り渡して地位保全を願う売国勢力がそれに従ってきたことによるものである。

  こうして地震国日本列島に54基もの原発がつくられ、かつてない大災害をもたらしたのである。

水素爆発をおこした福島第一玄白1号機(3月12日)
水素爆発をおこした福島第一玄白1号機(3月12日)

放射能被害隠す国とマスコミ

      武田邦彦中部大学教授の発言

内部被爆による甲状腺への放射線影響シュミレーション
内部被爆による甲状腺への放射線影響シュミレーション

 中部大学総合工学研究所の武田教授(資源材料工学)は、内閣府原子力委員会および同安全委員会専門委員という立場から強い警鐘を鳴らしている。

 法律で決められた「普通の人は1年に1ミリシーベルト(1000マイクロシーベルト)まで」というのは「1年間」だ。政府発表やテレビで報道しているのは「1時間あたりのシーベルト」だから1カ月少し(42日)住んでいるところの場合、それを1000倍する必要がある。

 

 どのくらいの放射能で何が起こるか。目安としては4シーベルト=死ぬ、400ミリシーベルト=白血病である。政府やマスコミは「福島原発から20キロの放射線は、330マイクロシーベルトだから、胃のレントゲンの2分の1」といういい方をし、安全だという。それは「そこに1時間しかいない人」のことであり、一カ月あまり住む人は330ミリシーベルトを浴びることになり、子どもも親も白血病になるだろう。すぐ待避しなければならない。レントゲンというのは瞬時(0.1秒)の話であり、比較の対象にはならない。

文部省の測定では、福島原発から北方30キロメートルで3月17日は170マイクロシーベルト、18日は150マイクロシーベルトだった。これをNHKに出ていた東大の先生は「健康に問題はない」といった。

 この2日間の平均を160マイクロシーベルト(1時間)とすると、7時間そこにいたら一般人が1年間で浴びていい基準値を超えることになる。東大の専門家は何を考えているのだろうか。

 それは、本当のことをいうとパニックになる可能性があるので、本当のことはいわなくてもよいという気持ちがあると推定される。

 放射線の作業者は、年間で50ミリシーベルト(一般の人の50倍)の被爆が認められている。この人たちは健康診断もし、放射線量の測定もしながら作業をする。だから国の基準では作業者は50ミリシーベルトになっていて、一般人は1ミリシーベルトになっているのである。これは長い期間の検討もされ、また国際的なレベルも取り入れられている。

 

 このような非常時に、この基準を安易に変更することは法律違反である。現在NHK等で専門家として出ている人たちは、実はこのような基準を決める委員会に出ていた人たちなのだ。事故が起こらないときは厳しい基準を決めて、事故が起こると「基準は本当は厳しすぎる」というのはあまりにも無責任である。

 

●新着情報

2023年11月に山口県岩国市西岩国駅ふれあい交流館で開催された「原爆と戦争展」のご報告と、アンケートを掲載いたしました。

▶詳しくはこちらから

●更新情報

8/17 ご来場者の声・アンケート掲載

7/15 開催案内 掲載

戦争で犠牲となられた方々の御霊に謹んで哀悼の意を捧げます。そして、今もなお被爆による後遺症で苦しんでおられる方々に心からお見舞い申し上げます。 

訪問者数

アクセスカウンター

原爆・戦争・原子力等の関連本

岩国 原爆と戦争展 当ウェブサイトリンクについて

検索は…

QRコード:岩国原爆と戦争展
岩国原爆と戦争展